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2012年 03月 16日 ( 2 )

PJAM2012#3 とりあえず第1日目

 前回からの続きです。
 24時間警護付、とか言うと、どんな物騒なところなんだと思われるかもしれませんが、いろいろ事情があるようでして...
 確かに、昨年来、国連やNGOスタッフなど外国人の誘拐が数件起きています。ご存知の通り、米軍によるアル・カーイダの指導者の暗殺作戦やら、隣国のアフガニスタン情勢やらの影響で、タリバーン系の民兵、ゲリラ組織の活動が活発になっている地域もあります。カラチでは、民族、宗派対立による暴動、衝突も起こっています。ただしパキスタン全土が等しく危険かというと、そうではなくて治安も良好な地域と、非常に危険な地域とが明瞭に分かれている状況です。
 また、軍政が終焉し、民主的に選挙が実施される社会情勢になったことで、かつては押さえ込まれていた多様な主義主張が大っぴらに叫ばれるようになったことで、潜在的な衝突のタネはかえって顕在化したようですが。たとえば、前回訪問時(2004年~2007年:軍事政権最後の年)には、支持者の村々の落書きでしか見なかった、シンド・ナショナリストのシンボルマークや旗、スローガンが、大学構内も含めてそこら中に掲げられています。ただし、お隣のバローチースターン州の状況とは違って、ここでは分離独立を叫ぶような急進派はほとんどいないようですが。
PJAM2012#3 とりあえず第1日目_a0186568_182714100.jpg

 ちなみにわれわれの訪問先のシンド州北部は、一部地域(北西側)を除くと治安はきわめて良好なようです。それでも、政府の方針ということで、われわれの滞在は地元警察にあらかじめ登録されて、到着時には治安警察の係官が来まして(で、大学の手続きが遅れて正式な書類が通る前にわれわれが到着してしまったので、マッラー教授は文句を言われていたようです)、その後は、ゲストハウスの外に出るときは必ず同行するように、と言うことで、ハイルプール県警察から派遣された自動小銃を持った警官2人と、2週間一緒に過ごすことになったのでした。
PJAM2012#3 とりあえず第1日目_a0186568_18193889.jpg

 で、こちらが、われらがガードマン、左がムバーラク、右がアブドゥル・カーディル。最後は、Kさんととても仲良くなって、お別れの時には半べそかいてました。

 そんなこんなで、初日は10時過ぎに博物館にあらわれたマッラー教授と打ち合わせをする間もなく、その治安警察だとか大学の関係だとかでバタバタしてたのですが、それらを何とかやり過ごすと、ようやく、考古学のお話しの時間となりました。
PJAM2012#3 とりあえず第1日目_a0186568_18315944.jpg

 こちらは、自分の研究についてマッラー教授に説明するKさん。何とこの後、彼のリクエストは言い値で全部通りまして、滞在期間では足りないくらいの材料を手にすることができたのでした。何という、幸運!!
 で、私の方はといいますと、昨年6~7月にマッラー教授が来日していたときから議論してきたテーマがいくつかありましたので、それらをどんなスケジュールでこなして行こうか、ということだったのですが...
 この後、マッラー教授から、さっそく遺跡を見に行こうという提案があり、昼食後、チャート原産地遺跡群があるローフリー丘陵へ向かうことになりました。
 ちなみに、昼食は、前夜の夕食とほぼ同じメニュー、チキン・カラヒ(チキン・トマト・カレー)、サブジ(ミックス・ベジタブル・カレー味炒め)とプラオ(ご飯)、チャパティです。
PJAM2012#3 とりあえず第1日目_a0186568_18354967.jpg

 このチキン・カラヒが絶品。トマトの酸味とスパイシーなマサラがよくマッチしていて、油断しているといくらでも食べてしまいそうです。以後、毎日、毎晩、40代の胃袋事情と相談しながら、時には消化薬の力も借りながら、何とか2週間、おなかを壊さずに乗り切りました。なおKさんは、若さにまかせてガンガン食べてましたよ。
 と言うことで、ローフリー丘陵は、また次回。
by asiansophia | 2012-03-16 20:00 | PJAM2012

PJAM2012#2 躍進するSALU

 無事、中断せずに第2回です。
 今回滞在したシャー・アブドゥル・ラティーフ大学(SALU)は、パキスタンの南東部を占めるシンド州の中でも北の方、インダス川左岸のハイルプールという町の郊外にあります。シンド州北部の総合大学は、今のところここだけ(ほかに医科、工科大学はあるらしい)ということです。
 滞在期間中はずっと、SALUのゲストハウスにお世話になりました。3食付です。
PJAM2012#2 躍進するSALU_a0186568_17565835.jpg

(ゲストハウスの中庭、パキスタンの国旗のデザインです)

 前回(2007年)の滞在時には、2部屋しかない小さいなゲストハウス?だったのですが、今回は何と、16部屋もあってエアコン、WiFi完備の新ゲストハウスが完成していました。
 SALUは現在、次々に新しい建物が完成し、学生数もここ数年で5,000人から7,000人まで増えたとのこと。しかもこの4月には、インダス川の向こう岸、シカルプールに新キャンパスがオープンするとのこと。前回は、道路だけあって校舎など何もなかった側にも、新しい建物がガンガン建っています。その中に、ゲストハウスと、考古学研究室も入っている考古学・人類学博物館、生物多様性保護センターと植物園などがあり、さらに滞在中の2/28には新本部棟がオープンして大々的なセレモニーをやってました(潜り込んできました)。
PJAM2012#2 躍進するSALU_a0186568_1822580.jpg

(新本部棟オープニング・セレモニー、レッド・カーペット!)

 これらの新建物は、すべて、前考古学研究室主任教授にして、現副学長のビッグ・マダム、N.シェイフ教授が音頭をとって完成させたとのこと。さすが!
 その発展振りには大いに驚いたのですが、マッラー教授によると、大学用に留保されている土地のうち、まだ1/3以下しか開発されていないとのことでした...将来、どんな大学になるのでしょうか?
PJAM2012#2 躍進するSALU_a0186568_1893775.jpg

 2008年にオープンした考古学・人類学博物館、2階建てで、1階が考古学、2階が人類学部門の展示...の予定ですがまだ準備途上のようでした。
PJAM2012#2 躍進するSALU_a0186568_18123927.jpg

 正面玄関の看板。博物館の中には、考古学研究室のスタッフの部屋もあります。が、将来的には、考古学研究室は西隣に新しい建物を建てるようです。今回のわれわれの滞在中に、マッラー教授がそのための用地の確保を、学部長と副学長に直訴して無事、ゲットしてました。なお、こちらでは欧米式に学長は名誉職(SALUの場合、現在はシンド州名誉知事が学長も兼任しています)なので、副学長というのは実質上のトップです。
PJAM2012#2 躍進するSALU_a0186568_18144824.jpg

 博物館の東隣は、「神官王広場」と名づけられた...バレーボールコートでした。ここに、PJAM研究所を建てるのが将来のわれわれの野望です(嘘)
 とまぁ、ブラブラと早朝のキャンパス内散歩をKさんと2人で楽しんでみたのですが、実は、われわれだけでフラフラできたのはコレが最初で最後、この後は、24時間武装警官の警備付になってしまったのでした。
 と、その詳細はまた後ほど。
by asiansophia | 2012-03-16 06:00 | PJAM2012