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2011年 05月 30日 ( 1 )

インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material

インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_23251046.jpg 前回の予告では、Kunal遺跡に続いて訪れたBhirrana遺跡を紹介することになっていましたが、その前にちょっと、Kunal遺跡について補足。
 前回ご紹介したとおり、このKunal遺跡では、インダス文明に先行する時期の集落跡が発掘されているのですが、そこから、きわめて重要な遺物が出土しています。写真は、Haryana州考古・博物館局による発掘調査概報*の表紙です。以下、同概報から、発掘調査の成果について簡単に紹介しましょう。

インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_23261836.jpg



 すっかり浸食・崩落が進んでしまった発掘区の、ありし日の姿。
インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_23283172.jpg
 こんな具合に各時期の遺構が検出されているのですが、もっとも古いIA期の遺構は、最下層にあるだけに検出数も少ないですね。しかしここから、斧、鏃、腕輪などの銅製品や、Rakhi Garhi遺跡と同じような、遠くRohri Hillsに産出するチャート製の石刃が出土しています。
 そしてきわめつけが...多量のビーズが収められた埋納土器です。
 概報によると、土器の中に収納されていたのは、3,370点の紅玉髄(カーネリアン)、2,860点の凍石(ステアタイト)、5,690点のラピス・ラズリ、487点の貝、92点のメノウなど、計12,445点ものビーズ!!インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_23421198.jpg






出土したビーズの一部。


 参考までに、現代のビーズ職人、パキスタン・ペシャワール在住のAbudul Momin Turkmenさんの工房の作品の写真も掲げておきます。インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_23472137.jpgインド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_2347974.jpg












 左の写真のようにネックレスやブレスレットに仕立てられていたのか、右の写真のように素材としてのビーズが収められていたのかは定かではありませんが、当時はこんな感じの色鮮やかな「宝物」だったのではないでしょうか?

 さて、これらのビーズの素材となる準貴石のうち、ラピス・ラズリは現アフガニスタン北東部Badakhshanン州(Kunal遺跡から直線距離で約900km)をおもな産地とし、カーネリアンはインド西部Gujarat州(同約900km)がおもな産地です。ステアタイトの産地は、比較的近くはヒマラヤ山脈前縁のJammuあたり(それでも約450km以上)、または現パキスタンのKybar Pakhtonkhwa州(同約700km)などにあります(ステアタイトの産地の詳細はこちら)。
 つまり、都市文明の前段階から半径900kmにも及ぶ範囲から、準貴石やチャート、そして可能性として海産の貝類までの資源が、広域に集められているのです。
インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_0104780.jpg そしてもう一つ、四角く、コブウシなどが描かれるインダス式印章とは異なるタイプのこの印章は、遠く、現パキスタンKybar Pakhtonkhwa州にある、Rehman Dehri遺跡から出土したもの(右下)と共通するモチーフですね。
インド滞在記2011 その14: India 2011 #14 Importance of Kunal material_a0186568_0214759.jpg


 しかしながら、土器の様相は広域的な統合をまだ示さず、地域的であるとのこと。どうやら、文明期に見られる地域間の統合の前段階に、物資の流通を通して緊密な地域間のつながりが成立しているようです。
 そしてそのつながりの中に、Rohri Hills産チャート石材と、そのチャートで作られた石刃の流通が組み込まれているようなのです。

 ということで、4ヶ月以上前に(続く)としたまま放置の、パキスタン・ペシャワールでのお仕事と、今回のインド訪問の間が、ようやくつながるのですが... さて、この続きはいつになることやら...



Kunal excavation by Dept. of Archaeology & Museums, Haryana delivered important material for considering the formation process of Indus Civilization.
One of most important finding is...hoard of semi-precious stone beads, unveiled from buried pottery, including 3,370 carnelian, 2,806 steatite, 5,690 lapis lazuli and so on.
This indicate long-range transportation, exchange network in the Early Harappan phase. Lapis lazuri might be brought from Badakhshan (Afghanistan), 900km distant in NNW of Kunal site. Carnelian might be brought from Gujarat, 900km distant in SSW of the site. Estimated steatite sources are either near Jammu (450kM) or around Peshawar Basin (700km) (about steatite sources, see Randall Law's work).
A steatite seal with 2 deers and geometrical pattern from Kunal site is similar with ivory seal from Rehman Dehri site in Gomal Plain (Kybar Pakhtonkhwa, Pakistan). Both sites are 600km distant. Those evidences suggest connection among broad area including NW India, most of Pakistan and a part of Afghanistan, at least. This area is almost same as territory of latter Indus Civilization.
Otherwise, pottery studies elucidate regional tradition in each area. It means that... before wide integration and unity of Civilization, there were regional societies connected distribution network of supplies. Production and transportation of Rohri chert blades might already be a part of such network, before Civilization.
This is the my primary stand to investigate lithic technology in the formation process of Indus Civilization.

* Acharya, M.(2008) Kunal Excavations: new light on the origin of Harappan Civilization. Department of Archaeology and Museums, Haryana.31p.
by asiansophia | 2011-05-30 23:51 | India2011