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2011年 01月 16日 ( 2 )

「ナイフ形石器」の誕生

「ナイフ形石器」の誕生_a0186568_17525011.jpg さてナイフ・ブレイド、バックド・ブレイドとして、おもにヨーロッパの後期旧石器時代の石器と対比された石器が「ナイフ形石器」と呼ばれるようになるのは、おおむね1959年ころの芹沢長介の著作・論文からのようです。たとえば1957年の『考古学ノート1 先史時代1 無土器文化』では、まだ「ナイフ・ブレイド」の用語が使われています。同時に注目すべきなのは、この時点での「ナイフ・ブレイド」とされる資料としては、茂呂(東京都)、杉久保(長野県)、茶臼山(長野県)など、石刃または縦長剥片を素材とする一群だけが含められていて(右図上)、おもに横長剥片を素材とする、とされた切出形石器(右図下)は、関連性は指摘されているものの基本的には別のタイプ・ツールとされています。そしてもう一つ、香川県井島遺跡などで知られつつあった瀬戸内地方の資料については、幾何形細石器(ジオメトリック・マイクロリス)と関連するのではないかという、当時の一般的な見方をそのまま紹介しているのです。(図出典:芹沢長介1956「日本に於ける無土器「ナイフ形石器」の誕生_a0186568_17535816.jpg文化」『人類学雑誌』第64巻3号、日本人類学会)
 つまり1957年の時点では、今日、大多数の研究者が「ナイフ形石器」のヴァリエーションに含める資料は、「ナイフ・ブレイド」「切出形石器」、そして明確には定義されていませんが「幾何形細石器に関連を有するもの」とに区分されていたのです。
 ところが、1959年に刊行された『世界考古学大系〈第1巻〉日本1』所収の「ローム層に潜む文化」でや、翌年刊行の『石器時代の日本』では、「ナイフ形石器」の用語が登場すると同時に、瀬戸内地方を代表する「国府型」ナイフ形石器や、「切出形石器」などもそのヴァリエーションに含めて記述されるようになっています。
 これは、資料の蓄積と分析が進んだことによるのでしょうか?

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by asiansophia | 2011-01-16 20:42 | 旧石器考古学/Palaeolithic

南アジア先史・原史考古学への道:ペシャワール編(その5) 文化財・文化遺産は誰のため? 何のため?

南アジア先史・原史考古学への道:ペシャワール編(その5) 文化財・文化遺産は誰のため? 何のため?_a0186568_1214719.jpg センター試験真っ最中です。ほぼ毎年、寒波襲来ですね。分かっているのだから日程をずらせばいいのに...と思うのは大きなお世話でしょうか? 東京は幸い雪は降っていませんが、寒い風が吹きすさんでいます。さてこのシリーズ、そろそろ石器研究の成果をまとめないといけないのですが、その前に、またもや寄り道。先に、考古学の意義・役割についてちょっと偉そうなことを書いたので、そのフォローというか、なぜパキスタンでそんなことを考えたのかということを補足します。
 

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by asiansophia | 2011-01-16 12:51 | 南アジア考古学/SA Arch.