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新刊紹介:シリーズ遺跡を学ぶ083『北の縄文鉱山・上岩川遺跡群』

 新泉社『遺跡を学ぶ』シリーズの新刊です。


 縄文時代の石器、というとまだまだマイナーな研究分野ですが、なかなかどうして、当時の経済や社会を考えるために貴重な情報を提供してくれるのですよ。
 本書では、道路建設に先立つ調査で発見された、珪質頁岩の原産地遺跡群―原石の採掘から石器製作まで行なわれた「コンビナート」と言える遺跡ですね―の調査成果を軸に、近隣の集落における石器のあり方から、持ち運ばれ、交換され、または分配された石器を通して、技術、経済、社会を描き出そうとしています。石器の種類、かたちや名称、分類、機能と言った遺物論ではなくて、石器や石材が縄文人、縄文時代社会にどのように取り扱われていたのか、をテーマに掘り下げられているということです。

 著者の吉川さんとは...大学以来の長いお付き合いです。発掘調査や整理作業など、ずいぶんあちこちご一緒しました。遠路、シリアの調査も...
 その後、吉川さんが秋田に奉職されてからは、なかなかご一緒する機会がないのですが...でも、4年ほど前に『考古学ジャーナル』誌の「時空間の連鎖:打製石器の製作・使用」特集に、本書と関わる内容についてご寄稿いただきました(吉川耕太郎2008「東北日本における石材資源の獲得と消費」『考古学ジャーナル』No.575:23-27、ニューサイエンス社)。日本考古学では、それこそ学生として基礎を学ぶ段階から、旧石器時代、縄文時代といった時代ごとに輪切りにしてしまう傾向がとても強いのですが、秋田というフィールドで、珪質頁岩という石材を軸に、3万年におよぶ長い期間を通時代的に俯瞰することができるのが、吉川さんの強みです。
 石器石材の取り扱い方から、技術、そしてその経済的、社会的背景を通して、あらためて「時代性」を明らかにすることができるのです。

 さらに「地域」の垣根も飛び越えて、パキスタン・ローフリー丘陵のチャート原産地遺跡群と比較し、時代・地域を越えた石材開発の共通性―と、もちろん相違点―を検討し、石器をめぐる人類史を語りたいなぁ、などと空想はするのですけどなかなか実現はしませんね。
 次は、ぜひパキスタンに来てください(笑)

 あと、1点だけですが、リクエストをいただいて写真を提供しました。86ページの図62です。中央に写っているのは、L大学のA.S.さん。実は、拙著(
『武蔵野に残る旧石器人の足跡・砂川遺跡』
)にも登場してます。シリーズを通じて2冊に登場している方は希少なのではないでしょうか。しかも、遥か海を越えて(笑)

 カラー写真も満載で、お買い得です。ぜひ、お買い求めください。
吉川耕太郎著 『北の縄文鉱山・上岩川遺跡群』

by asiansophia | 2012-03-22 19:00 | 考古学(いろいろ)