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石器文化研究会 シンポジウム
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シンポジウム第1部 「ナイフ形石器・ナイフ形石器文化とは何か」

 予告編Part4から、私自身の研究史の見方に脱線してしまいました。
 ここでもう一度、シンポジウムの構成に戻りたいと思います。
 第1部では、学史、研究史からの「見直し」を企図します。西井幸雄さんによる「「日本旧石器時代」とナイフ形石器・ナイフ形石器文化」は、旧石器時代研究を、日本考古学史と同時代社会史との接点から見直そうという試みです。 その概要はすでに考古学研究会東京例会・石器文化研究会合同シンポジウム「考古学の方法論を見直す-形式・境界・時代-」でも発表されています(くり返しですが、予稿集は完売してしまいました。すみません)。
 合同シンポジウムでの討論でも話題となりましたが、学問・研究の歴史と同時代社会史は結びつくのか? あるいは結びつけるべきなのか? 議論が分かれるところだと思います。しかし前回までの記事に関連する研究史の初期だけでもさまざまな課題があります。




 たとえば、「細石刃」問題に関連する内蒙古調査は東亜考古学会によるものです。この学会は、義和団事変(1900年)の賠償金の一部を東方文化事業に充てるとした当時の外務省の決定に従い設立されました。また同じく「細石刃」問題に関連して日本における中石器時代(的様相)の存否を論じた八幡一郎は、1943年に設立された国策の民族学研究所に所属、当初は総務部、その後東南アジアや太平洋を担当する第5部の所属、終戦直前には中国北部の調査に参加しています(坂野徹『帝国日本と人類学者』勁草書房山路勝彦『近代日本の海外学術調査』山川日本史リブレットなど)。
 岩宿発見前後におけるさまざまな言説のいくつかは、このように同時代史を背景に形成されたものと言えそうです。
 これに対して、芹沢の「「日本の眼」と「外国の眼」」という見方は、時代背景を異にする世代間の対立、見解の相違を示しているとも読み取れます。また海外での調査、あるいは海外の情報への接点が制限されることとなった敗戦直後の状況とも関わっているでしょう。また各地での調査報告が相次ぎ、「ナイフ形石器文化」概念が成立、型式の細分と編年研究が主題となる1960年代以降の状況は『プレートテクトニクスの拒絶と受容』東京大学出版会で指摘されている、戦後の日本の地質学界の状況と相似する部分もあるように思われます。
 いずれにしても、「ナイフ形石器」あるいは「ナイフ形石器文化」が、純粋に考古資料の蓄積と分析から帰納的に導かれたものであるのか、それとも学史・研究史上の経緯により理論的・概念的に設定されたものなのか、その時点からの問い直しが、いま必要とされているのではないでしょうか?
by asiansophia | 2011-01-17 22:31 | 旧石器考古学/Palaeolithic