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南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」

 今日は、韓国APAで大変お世話になったコン・スジンさんとだんなさんご一行にお会いしました。明治大学博物館で資料を見学されるということで、とりあえずご挨拶だけ。たぶん、今頃は御茶ノ水の夜を満喫されていることでしょう。E田さん、肝臓をいたわってくださいね(余計なお世話)
 また、ナイフ・シンポが終わったら、Sheila Mishlaさんを訪ねる予定です。韓国での交流の輪がつながり続けるのはうれしいことです。そして次は、日本ですね!

南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」_a0186568_2119537.jpg そして帰宅したら、右の新刊が届いていました。
 ついさっきAmazon.jpを覗いたところ、まだ取り扱い前のよう。ということで、ネット上でも最速の紹介か?
 それはさておき、本書「あとがき」でも触れられているとおり、インダス文明に関する単著としては、インダス文明―インド文化の源流をなすもの (NHKブックス〈375〉)以来、30年ぶり。その間の研究の進展がコンパクトにまとめられています。
 それと、もう一つの見所(?)は、アトリエこんどう工房(勝手に命名)による多数の挿図。印刷物から転載した不鮮明な写真より、熟練の職人さん(?!)たちが点描トレースした精緻な挿図は、きっと、『インダス文明展』の美しい図録写真同様、あちこちで転載、再利用されることになるのではないでしょうか。
 ちなみに口絵には私の撮った写真を使っていただいています。ちょっと言い訳すると、1ページ目のモヘンジョ・ダロの写真は、35mmのカラー・リヴァーサル・フィルムをスキャンしたものですが、やはりちょっと...すみません...





 さて本書の内容やインダス文明に関する最新の研究成果などは右に挙げているリンクを参照していただく方がよいかと思いますので、ここでは個人的なかかわりを中心に触れたいと思います。
 あとがき186ページにもある“マフィア”に加えていただき、はじめてパキスタン・ペシャワールを訪れたのは2004年。それまで南アジア考古学について一片の知識もなかったのですが、「石器が分かれば大丈夫」というひと言でとりあえずの初体験、以来、はまっています。
 その時も、またそれ以後もよく話題になるのですが、日本で考古学を学んだ強み―説明・解釈のための理論・方法論に関する勉強ももちろん必要ですが、やはり資料にじっくりと取り組む訓練を受けていたことは重要です。あとは石の上にも三年、確かに三年くらいかじりついていたら色いろとひらめきはじめるものでした。これから海外の考古学を志そうという若い学生さんがもし読まれているようでしたら、ぜひ、先に一芸を身につけておくことをお勧めしますよ。対象とする地域、時代に固執しないで、ね(ちょっと偉そう)。
南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」_a0186568_2156549.jpg もうひとつ思うのは、考古学の「存在意義」。まだ文字の解読されていないインダス文明、その都市での生活、社会のなりたちは分からないことだらけです。そうした、まだ見ぬもの、知らぬものへの注意を喚起して、生活や文化や歴史の多様性を知らしめること、それが考古学、とくに先史・原史考古学の重要な役割なのではないか、と。今はもう失われてしまったけれど、こんなにも多様な人間の営みがあったんだ、ということを伝える役割です。
南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」_a0186568_2201948.jpg
 まぁ種を明かすと、実は今から15年近く前、O田急長Go駅前の居酒屋で現役の小学校(だったと思う)教員に議論をふっかけられた時に、とっさに出まかせで答えたものだったのですが(考古学なんて、何の役に立つんだ、というありがちな絡まれかたです...)、今になって、なかなかいい線行ってたんじゃないかと思ってます。パキスタンという、イスラム色のとても強い国の中のインダス文明、あるいは仏教関連の文化遺産のあり方を見て、その思いを強くしたのですよ。
南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」_a0186568_2282119.jpg さて写真は、『インダスの考古学』の口絵でも紹介されている、パキスタン・シンド州北部ローフリー丘陵(Rohri Hills)のチャート原産地遺跡群。
 厳しい乾燥とモンスーン期の強い降雨によって土壌が洗い流され続ける結果、旧石器時代からインダス文明期に至る石器が無数に地表に露出しています。
 一番上は、石器製作工房址。茶色いのはすべてチャート勢の石器、ほかは石灰岩やチャートの原石(ノジュール)です。しゃがんでいるのは、シャー・アブドゥル・ラティーフ大学(Shah Abdul Latif Univ.: SALU)のG.M.ヴィーサル准教授です。
南アジア先史・原史考古学への道:速報!新刊紹介「インダスの考古学」_a0186568_2214572.jpg 2番目は、石、石、また石の中に突如出現する砂の三日月湖。この砂を全部掘り上げると、3番目の写真のようになります。これは1990年代にSALUとイタリア隊が共同調査した、インダス文明期のチャート採掘坑なのでした。
 そして最後は地表に露出する石器の密集部。ぜひクリックして拡大してみてください。ちなみにスケール代わりのレンズ・キャップは52mmです。新しく露出したようで、石器表面の状態が上の写真のものよりフレッシュです。

 詳細は「南アジア先史・原史考古学への道」シリーズで。しかしいつになったらここまでたどり着けるか?!
by asiansophia | 2011-01-14 22:33 | 南アジア考古学/SA Arch.