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カテゴリ:旧石器考古学/Palaeolithic( 34 )

日本旧石器学会第10回大会のご案内

 季節の変わり目のせいか、帰宅して夕飯を食べるとそのまま気絶したように寝てしまいます...というわけで、書きためておいた記事もあっと言う間に底をついてます(言い訳)

 さて本日は、日本旧石器学会第10回大会のお知らせ


 2012年大会は、6月23日(土)、24日(日)に、奈良市の奈良文化財研究所 平城宮跡資料館で開催します。独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所との共催です。

 日程・プログラムは以下の通りです。

6月23日(土)
 総 会 (13:00~14:00)
 記念講演(14:15~15:15) :中央アジアの旧石器時代 Z.タイマガンベトフ氏(カザフ国立大学)
 一般研究発表(15:30~16:30)
 シンポジウム(16:35~17:30)
 「旧石器時代遺跡・立地・分布研究の新展開-『日本列島の旧石器時代遺跡』データベースの到達点と展望-

  趣旨説明
  基調講演:旧石器データベースHacks! 近藤康久
 懇親会

6月24日(日)
 シンポジウム(9:00~15:30)
  1「日本の旧石器時代遺跡」データベースの成果と応用
  基調報告
   1-1.「日本の旧石器時代遺跡」データベースが明らかにしたものと明らかにすべき課題 光石鳴巳・小菅将夫
   1-2.地形・地質・考古遺跡情報の連係と旧石器時代遺跡の立地・構成 野口 淳
   1-3.北海道における旧石器遺跡の分布と立地 高倉 純・小杉 康
   1-4.相模野台地における黒曜石利用の時空間的変遷 諏訪間 順
   1-5.九州、後期旧石器時代~縄文時代初頭の遺跡立地、分布 芝 康次郎
  2 遺跡データベース、GIS考古学の展開
  基調報告
   2-1.ヨーロッパにおける中期‐後期旧石器時代遺跡の時空間分布 佐野勝宏
   2-2.縄文時代の葬制・祭祀研究におけるデータベース構築と分析手法の開発 中村 大
   2-3.DEMによる地形解析と遺跡間分布の検討 千葉 史
  コメント
  パネル・ディスカッション

 ポスター発表
  会場:平城宮跡資料館 企画展示室
  日程:6月23日(土)~24日(日)
  *コアタイムは24日12:00~13:00

 会場への交通案内:
 近鉄大和西大寺駅下車、徒歩5分。奈良文化財研究所本庁舎の東側です。

  ※駐車場はありませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。

 宿泊:各自でご手配下さい。会場周辺には、多数のホテル・旅館があります。JR・近鉄奈良駅、近鉄新大宮駅周辺の宿泊施設が便利かと思われます。

 参加申し込み:
 日本旧石器学会員 ニュースレター20号の送付時にハガキを同封します。必要事項を記入の上、6月15日までに、事務局までお申込み下さい。また、やむを得ず欠席する場合は、会則第5条により、欠席の委任状を含め全会員の5分の1以上の出席をもって総会が成立しますので、同ハガキ下段に記載された委任状に記入、捺印のうえ投函願います。
 なお、学会員以外の一般参加も可能です。当日、予稿集代(予価1,500円)がかかります。
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by asiansophia | 2012-03-31 17:50 | 旧石器考古学/Palaeolithic

「中国で発見の化石、未知の人類か」

 ナショナル・ジオグラフィック・ニュースの記事から
「中国南部で見つかった石器時代の骨は、未知の人類のものかもしれない。議論を呼んでいる最新研究によると、この人類は突出したアゴと眉弓を持ち、シカの肉を食べ、洞穴に暮らしていたという。
 この「謎の人類化石」は、1万1500年前というごく最近に現生人類と共存していた、まったく新しい種の可能性もあると、中国とオーストラリアの研究チームは主張している。
 あるいはこの化石は、アフリカを出て東アジアへ移り住んだ、現生人類のごく初期のグループかもしれないという。
 またあるいは、彼らの主張に懐疑的な一部研究者に言わせると、化石はわれわれがすでに知っている事実、つまり、人間の姿かたちや大きさは多様であるということを示しているにすぎないのかもしれない。 」
(イラスト:雲南省馬鹿洞人の復元想定図by Peter Schouten、写真:広西チワン族自治区隆林洞穴出土の頭蓋骨by Darren Curnoe。ナショナル・ジオグラフィック・ニュースWebサイトより)

 原著論文は、オンライン学術誌PLos ONE(ダウンロード・フリー)に、3/14付で掲載された、Human Remains from the Pleistocene-Holocene Transition of Southwest China Suggest a Complex Evolutionary History for East Asians(南西中国で発見された更新世-完新世移行期の人類遺体は東アジアにおける人類進化史の複雑さを示唆する). Darren Curnoe, Ji Xueping, Andy I. R. Herries, Bai Kanning, Paul S. C. Taçon, Bao Zhende, David Fink, Zhu Yunsheng, John Hellstrom, Luo Yun, Gerasimos Cassis, Su Bing, Stephen Wroe, Hong Shi, William C. H. Parr, Huang Shengmin, Natalie Rogers (2012) PLoS ONE 7(3): e31918. doi:10.1371/journal.pone.0031918です。筆頭著者はオーストラリア、シドニーにあるニューサウスウェールズ大の研究者、ほかオーストラリアと中国・雲南省の研究者を中心とした共同研究チームのようです。
 研究の対象となったのは、雲南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州蒙自県に所在する馬鹿洞(Maludong)の発掘調査で出土した人骨群で、さらに広西壮(チワン)族自治区百色市隆林各(ゲ)族自治県徳峨糸近郊に所在する隆林(Longlin)洞窟から1979年に地質学者によって発見されていた頭骨も検討されたようです。
 研究チームは、これら2地点の化石人骨は同じ人類集団に帰属するものと考えており、現代人には通常見られない特徴があると指摘、これらの化石が、炭化物のAMS年代測定と、鍾乳石のウラン・シリーズ年代測定により、1.43~1.15万年前のものであるとしました。その上で、1)北アフリカ・モロッコのDar-es-SoltaneおよびTémara遺跡や、広西壮(チワン)族自治区崇左市知人洞(Zhirendong)から出土した人骨が示唆するように古代型ホモがより新しい時代まで生き残っていた可能性、または2)現代人の出アフリカは何波もありその中により古い形質を反映した集団がいた可能性を指摘しています。
 この研究は、基本的に化石人骨の形質と年代にもとづくものであり、たとえば「デニソワ人」が脚光を浴びたような古人骨から抽出したDNAにもとづくものではありません。そして化石人類の形質をめぐる議論は、しばしば錯綜します。ナショナル・ジオグラフィック・ニュースに見られる反対論者のコメントが、それを象徴しているようです。
 ちなみに、共同研究グループが類例として指摘した知人洞の人骨は、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースで反対意見を述べているエリック・トリンカウスらが、先に「東アジアにおける現代人の最古の例」として報告したものであり(2010年、アメリカ科学アカデミー紀要に掲載の論文)、今回、このような引用をされれば黙っていないのは道理、トリンカウスは、馬鹿洞、隆林洞窟も現代人の変異の幅におさまると反論していますね。ちなみに、知人洞からは下顎骨と歯しか出土していないので、現代人と特定できるのかどうかと言う反論が出されていたようです。
 ここはやはり、DNAの抽出に成功しない限り、議論が並行線をたどるような気がします...
 あえて研究チームの主張に沿ってみると、中国南部から東南アジアにかけて、後期旧石器時代相当の年代になっても、「原始的」に見える礫器が続くこと、それらの遺跡はたいがい山間部の洞窟で発見されていることと関連しているかのように考えられます。また、その年代は明らかに完新世に入っており、中国南部における最古の土器の年代よりも新しい...新石器時代の胎動を迎えた現代型人類と、古代型の人類が並存していたのか...などと想像力を掻きたてられますが...
 共伴する石器や、洞窟内における生活の痕跡などについて詳しく調べる前に、先走りは禁物ですね。

 いずれにしても、今後の研究と議論の展開には要注目です。
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by asiansophia | 2012-03-19 20:00 | 旧石器考古学/Palaeolithic

石器文化研究会第255回例会のお知らせ

 石器文化研究会第255回例会のお知らせです。

 例会案内はこちら


石器文化研究会第255回例会

日 時 :3月24日(土)14:00~

会 場 :明治大学駿河台キャンパス猿楽町第2校舎3階 考古学実習室
     ※猿楽町第2校舎は御茶ノ水駅側(マロニエ通り側)から入ったところは4階です。
      考古学実習室へは階段を下りてください。


タイトル:「中部・関東地域における稜柱系細石刃石器群の技術的変異性と地域・集団的帰属に関する研究」

発表者:夏木大吾 (東京大学大学院) 


内容
 本発表では中部・関東地域の稜柱系細石刃石器群について取り扱う。
 主に関東地域に焦点を当てて、石材・技術運用の変異性について整理し、そのなかの技術的変異性が地域・集団的問題とどのように関連するか検討する。

(会場はこちらです)

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by asiansophia | 2012-03-17 08:58 | 旧石器考古学/Palaeolithic

石器文化研究会第253回例会「南アジアの前期・中期旧石器時代」

 ようやくシンポジウム終わりました。参加報告とまとめは近いうちに。またはジュンクワさんのブログなどをご覧ください。

 話しは変わりまして、今週末に石器文化研究会の例会があります。ここ7年ほど、隙を見つけては細々(?)と遺跡現地や資料を見てきた、インド、パキスタンの前期・中期旧石器時代について話します。MHBシンポが開催されたばかりということで、関連する話題もちょっとばかり付け加えようかと思います。

 例会案内はこちら


石器文化研究会第253回例会

日 時 :12月10日(土)15:30~ ※開始時間に注意ください

会 場 :明治大学駿河台キャンパス猿楽町第2校舎3階 考古学実習室
     ※猿楽町第2校舎は御茶ノ水駅側(マロニエ通り側)から入ったところは4階です。
      考古学実習室へは階段を下りてください。


内 容 :「南アジアの前期・中期旧石器時代―ポトワール・シワリク・デカンの遺跡と資料―」
発表者:野口 淳 (明治大学校地内遺跡調査団) 


内容詳細(予定)
 ・パキスタン北部、ソアン川流域の地形と層序、シワリク層群の層序対比
 ・ソアン川流域遺跡群採集資料(1930年代米英共同調査、ケンブリッジ大学博物館所蔵)...
 ・パキスタン南部、ローフリー丘陵の遺跡と出土・採集資料
 ・インド北西部、シワリク丘陵の遺跡と採集資料(ソアン川流域との対比)
 ・インド中部、デカン高原の遺跡と出土・採集資料(モレガオン、イサンプールなど)
 および最近の論点として
 ・南アジアにモード1石器群(Oldwan)はあるのか?
 ・南アジアのモード2石器群(Acheulean)の年代・系統・終焉
 ・南アジアのモード3石器群とは何か?
 ・ソアニアン(Soanian)の位置づけ
 ・南アジアにおける後期旧石器時代の開始期、などなど
(会場はこちらです)

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by asiansophia | 2011-12-07 09:39 | 旧石器考古学/Palaeolithic

ネアンデルタールと現代人・続く発見と論争/ Neanderthal and Modern Human: revision and controversy

 人類の進化、現代人の起源については、毎年のように新発見、新学説が現れて、教科書や概説書はあっという間に改訂が必要になるような状況です。変化がめまぐるしいので、学校の授業などでどのように教わったのかで世代が分かるほどでしょう。
 ちなみに40代以上の方は、基本的には猿人~原人~旧人~新人と段階を追って進化していったという単純な説明をされていたかと思います。その後、とくに化石人骨からDNAを抽出する技術の確立と研究の進展にともない、現代人はアフリカで出現して世界各地に広がったとされる一方、ヨーロッパのネアンデルタール人など、かつての「旧人」のほとんどは子孫を残すことなく絶滅した、というストーリーに置き換えられました。1990年代のことです。
 ところが昨年(2010年)、ネアンデルタール人骨から抽出されたDNAの全塩基配列が解読され、現代人との比較が進められると、ユーラシアの現代人には、サハラ以南のアフリカ人と異なりネアンデルタール人などに由来する遺伝子が含まれている-つまりネアンデルタール人と現代人の一部には何らかのつながりがあった、ということが主張されるようになりました(Science2010年5月7日号掲載の論文:英語版全文PDF版はこちら)。
 さて、以上はおもに遺伝人類学の研究にもとづく議論ですが、化石人骨や考古資料はどうなのでしょうか?
 ヨーロッパでは、最古の現代人と最後のネアンデルタール人の化石の年代が数千年にわたってオーバーラップすることから、双方が隣接して、あるいは入り混じって暮らしていた可能性が指摘されてきました。そして気候変動や現代人の人口増加などによって、ネアンデルタール人は最終的にイベリア半島に追い詰められるように分布範囲を狭め、およそ2万9千年前頃には絶滅してしまったのだろう、というストーリーです。
 その中で、南西フランスのシャテルペロニアン(Châtelperronian)や、イタリアのウルツィアン(Ulluzian)といった石器群は、石刃技法と背付き石器、装身具(骨・牙・貝製)などをもつことから現代人的な様相を示すものの、ネアンデルタール人骨と共伴することが注目されていました。年代的にも4万~3万年前頃と、ヨーロッパにおける現代人の出現と重なるために、ネアンデルタール人が現代人と交流するか、あるいは模倣した結果なのではないか、などと考えられたりもしたわけです。そしてここにきて、遺伝人類学から見て現代人とネアンデルタール人との間につながりがある、遺伝子の交流(=つまり通婚・配偶の可能性)があるという説が打ち出されたので、こうした過渡的あるいは中間的(?)な石器群の解釈も容易になったのかな、と思いきや、実はシャテルペロニアンとネアンデルタール人との関係は、遺跡の出土状態の見直しなどにより疑問視されるようになっていたり、そして今回、ウルツィアンについてもネアンデルタールではなく現代人の所産であるとされたり??? まだまだ、シンプルなストーリーで解決を図れる段階ではないようです。
(写真はNature誌よりのリンク)
 
 ということでだいぶ前置きが長くなりましたが、Nature誌の11月2日号に掲載された論文、「ヨーロッパにおける初期の現代人の拡散とネアンデルタール人の行動への影響」Early dispersal of modern humans in Europe and implications for Neanderthal behaviour,Benazzi et al.(2011), Nature, doi:10.1038/nature10617 (2,Nov,2011, online)です。
 この論文では、ウルツィアン=ネアンデルタール説の根拠となっていたイタリア南部(最南端)カヴァッロ洞窟(Grotta del Cavallo)から出土した人骨(臼歯)を再検討し、それがネアンデルタールではなく現代人のものであることを指摘しました。また臼歯と共伴した貝製のビーズについてのAMS年代は、~45,000から43,00calBPを示すということです。したがって、カヴァッロ洞窟のウルツィアン石器群は、ヨーロッパにおける最古の現代人による所産ということになる、と。
(カヴァッロ洞窟のウルツィアン石器群と共伴遺物:Past Horizonsの記事より

 さて、そうなると、現代人が版図を広げる中、ネアンデルタール人の行動も変化し、過渡的ないし中間的な石器群が生み出されたのではないかと言うこれまでの考え方は再考を迫られるわけです。一方で、遺伝人類学では、現代人がアフリカで出現し、その地を旅立った後、つまりユーラシア大陸に到達した後で、ネアンデルタール人と何らかの交流を持っていた可能性が指摘されているわけで?????
 ということで、人類の進化、現代人の起源については、ますます混迷の度合いが深まりつつあるというか、あるいはこれまでの考え方の一部修正では済まない、大幅な学説の変更が必要になるのではないか、という状況のようです。

 なお、アジアにおける現代人の出現・拡散をめぐる問題は、11/26~12/1の間、国立科学博物館で開催されるシンポジウムのテーマです。この問題に興味がある方は、ぜひシンポジウムにご注目ください。

・Nature誌の論文はこちら(英語版・要旨のみフリー閲覧可)
・Past Horizons: adventures in archaeologyにおける解説記事はこちら(英語)
・国立科学博物館におけるシンポジウム「旧石器時代のアジアにおける現代人的行動の出現と多様性」および第4回アジア旧石器協会(APA)日本大会についてはこちら
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by asiansophia | 2011-11-14 06:00 | 旧石器考古学/Palaeolithic

3万5千年前のマンモス像・ドイツ/ 35,000-year-old Mammoth sculpture found in Germany

 ドイツ南部のフォーゲルヘルト洞窟(Vogelherd Cave)で発見された3万5千年前の象牙製のマンモス像、ライオン像です。とても写実的で、シベリアで発見された冷凍ミイラ状態のマンモスとそっくりですね。

 3.6cm、7.5gと、とても小さなもののようですが、こうして見ると迫力があります。

 こちらはライオン。顔の下半分が欠けてしまっていますが、耳と、首~背中のたてがみが表現されています。

 ドイツ・テュービンゲン大学により継続的に行なわれている調査の成果です。3万5千年前というのは、アフリカを出て各地へ広がっていった現代人がヨーロッパへ到達した最初の段階です。彼らの芸術・精神活動のあり様を示す貴重な資料と言えるでしょう。

 シュピーゲル紙の記事はこちら(英語)
 テュービンゲン大学先史学・第四紀生態学研究所のページはこちら(ドイツ語)
(Facebook上でのGrands Sites Archéologiquesさんの投稿より)

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by asiansophia | 2011-11-11 11:11 | 旧石器考古学/Palaeolithic

洞窟絵画の馬は想像か? 現実か?: Matching Genotypes and Phenotypes of predomestic horses on cave arts

 アメリカ科学アカデミー紀要電子版11月7日号掲載の論文です(PDFダウンロード可能、下記リンク先から"Full text(PDF)"を選択してください)。
 Pruvost et al.(2011) Genotypes of predomestic horses match phenotypes painted in Paleolithic works of cave art, PNAS,7,Nov,2011
 「家畜化以前の馬の遺伝子型は旧石器時代洞窟絵画上の表現型と一致する」アメリカ科学アカデミー紀要2011.11.7(オンライン版)

 南西ヨーロッパの旧石器時代の洞窟壁画には数多くの動物が描かれており、その中には野生馬も含まれています。描かれている野生馬は実にいろとりどりで、中には斑点状の毛色を表したものもあります(フランス、Peche-Merle洞窟)。これらは、旧石器人の想像の産物なのか、それとも家畜化される以前の野生馬にも毛色のヴァリエーションがあったのか。この疑問に対して、調査チームは、シベリア、東西ヨーロッパ、イベリア半島から出土してる31の家畜化以前の馬の骨から体色に関連する遺伝子情報を抽出したところ、18頭はもっとも基本的な毛色(赤褐色、Bay coat color、鹿毛)、7頭は黒、6頭は斑点を示す遺伝子情報をもっていました。斑点をもつもののうち4頭は更新世(=旧石器時代)、2頭は銅器時代のもので、ヨーロッパの資料でした。一方、シベリアの資料には含まれていませんでした。
 以上の結果から、洞窟絵画上に見られる野生馬の毛色は、当時、実在していたものであると考えられます。この研究成果は、旧石器時代の洞窟絵画の中の動物の特徴が写実的なものであって、象徴的、形而上的なものではないとする考えを支持するものとなるでしょう。
(Facebook上のMarlon Borges Pestanaさんの投稿から)



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by asiansophia | 2011-11-08 12:30 | 旧石器考古学/Palaeolithic

【新刊】 堤隆著『列島の考古学 旧石器時代』: new book on Japanese Palaeolithic

 旧石器時代に関する新刊書籍のご案内です。
 先日、手元に届きました。著者の堤 隆さんからお贈りいただいたものです。堤さん、ありがとうございます!!
 河出書房新社の「列島の考古学」シリーズの第1巻にあたるのですね。奥付によると刊行日は5/20です。
 128ページと手ごろなボリュームな上に、うち48ページはフルカラー、それ以外にも写真・図が満載で、¥2,800(税別)なら、間違いなくお値打ちでしょう。
 内容は
 第1章 私たちはどこから来たか
 第2章 氷期の原風景
 第3章 石材資源を求めて
 第4章 技術と芸術に込められたメッセージ
 第5章 遊動する生活スタイル
 第6章 新たな時代への胎動 +コラム6編となっています。
 この1冊で、日本列島の旧石器時代研究の最新成果はもちろんのこと、日本列島に至るまでの人類の足跡や、旧石器時代から縄文時代への時代の変革まで、すべてを知ることができますよ。
 堤さんと言えば、これまでにも遠き狩人たちの八ケ岳黒曜石 3万年の旅ビジュアル版 旧石器時代ガイドブックなどなど、日本の旧石器時代についての一般向けの書籍を数々上梓されています。一般向けというジャンルでは、もっとも著作の多い旧石器時代研究者でしょう。
 そして堤さんのすべての著作に通底しているのは、平易でありながら一般読者の興味を惹きつける文体とともに、そこかしこに最新の調査や理論がしっかりと紹介されているところ。海外の研究者や遺跡の名前、理論などについて分からないと思った方は、読み飛ばしたとしても全体を理解する上で支障はありません(堤さんごめんなさい)。逆に、大学生などこれから勉強をはじめようとする人にとっては、ここにあげられている項目を、さらに自分自身で詳しく調べることによって、最新の研究へとたどりつける、その入り口になることは間違いありません。
 学生のときにはじめてお会いして以来、その精力的な活躍ぶりにあこがれを抱いてきたのですが... あっと言う間に、はじめてお会いした時に堤さんよりも歳をとってしまいました(涙) 全然、追いつける気がしないのですが、それはきっと、地道に歩を重ねずにフラフラしているからですね...

 それはともかく、旧石器時代について多少なりとも興味をお持ちの方は、ぜひ手に取っていただきたい1冊です。

堤さんの、そのほかの著作




New books on Japanese Palaeolithic studies, authored by Dr. Takashi Tsutsumi, curator of Aasam Jomon Mueseum, Nagano pref.
The book contains rich photographs and figures, including 48 full colour pages.
If you have any interesting with Japanese Palaeolithic archaeology, this book would provide wider knowledge...but only in Japanese.
I guess when this kind book would be translated into English and published on www, we could open the door to world-wide.
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by asiansophia | 2011-05-29 11:04 | 旧石器考古学/Palaeolithic

世界が一番寒かった頃3: LGM environment and microblades in Hokkaido

 さらに続きです。今日は忘れずに『日本の旧石器時代遺跡』のデータを持って帰ってきたので、先に作成した地図に遺跡のドットを落としてみました。
a0186568_2223185.jpg
 日本旧石器学会のデータベースにもとづいて、細石刃・細石刃核が出土している遺跡をプロットすると、こうなります。このうち、年代的に最古段階(=LGM)と考えられる蘭越型は、白滝遺跡群を除くと渡島半島などの道南ににのみ分布するようです(役重さんのまとめ)。となると、図中のほとんどのドットは、より新しい時期のものです。ただし、蘭越型と同時並行の可能性がある美利河型、峠下型1類の分布を検討しなければならないのですが、残念ながら日本旧石器学会のデータにはそこまで入っていません... あくまで概要ということで。
a0186568_2249113.jpg
 もうひとつは、北海道の「すべての」後期旧石器時代遺跡をプロットしたものです。とは言え、最古段階の細石刃石器群と、それより古い年代値を有する石器群は数少ないので、遺跡数の増加分はそのほとんどが細石刃以降のもの(尖頭器、有舌尖頭器など)ということになります。
 ぱっと見ただけで精確ではありませんが、やはり道北部では細石刃以降に遺跡数が増加するようです。
 非常に大雑把に言えば、より南からより北へという分布の広がりが、時系列に沿って追えるのかも?!
 もちろん、道北部がLGMに無住地域だったと言うのではありません。とくに白滝など大規模な黒曜石原産地は、環境が厳しくても利用され続けていたようです。人口あるいは活動の頻度、強度が、環境に応じて異なっていた可能性がある、と言っておきましょう。

 さて、この一連の作業は、本当にお手軽なものですので、これで打ち止めです。しかしながらGISを利用すれば、実際に個別の遺跡の位置、緯度や標高、地形などを解析して傾向を抽出(もちろん、あれば)することも可能です。せっかく集成したデータなのだから、活用しないともったいないですね。
 ということで、また別の主題で何か記事を書いて見ましょう...そのうち...たぶん
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by asiansophia | 2011-05-17 23:08 | 旧石器考古学/Palaeolithic

世界が一番寒かった頃2.5: LGM environment and microblades in Hokkaido

前回の続きです。
 予告どおり、カシミール3Dを使って、お手軽な環境復元図もどきを作図しました。引用、再使用はご随意にどうぞ。ただし、学術的に使えるものではありませんので、その点ご留意くださいね。
a0186568_21544770.jpg
 まずは、LGM頃の北海道のイメージ(あくまで、イメージです)です。前回引用の『日本列島の地形学』の図を参考にして、国土地理院発行の50mメッシュ標高データを利用し、想定される森林限界、周氷河限界、雪線高度を基準に色分けして作図します。シミュレーションではなく、単純に標高値で割り振っただけ。いちおう、道南~道東太平洋岸と、それ以北および内陸山間部の2つでパラメータを変えて作図し、フォトショップ上でそれらしく見えるように合成します。大雑把に、白い部分が雪線高度(南側で標高1,700m、北側で標高1,200mに設定)以上、黄緑~緑が森林限界(南側で標高100m、北側では設定せず0-10mの低地部のみ深緑)以下で、その中間は黄土色で表現されています。草原やツンドラのような景観を想定すればよいのでしょうか。ただし基準となるパラメータは地形学的手法にもとづくものなので、古生態を反映ているものではありませんので注意。
a0186568_21551198.jpg
 もう一枚は、同じ方法で、現在の状況を示してみたものです。夏の北海道、というイメージで。パラメータは、森林限界を1,500m(南)/1,200m(北)、雪線高度を2,200m(南)/2,000m(北)としています。
 そしてここに遺跡分布を落としてみると...
 遺跡データを持ってくるのを忘れました。またまた続く...

Image maps of geomorphic environment of Hokkaido in LGM (above) and the present (below) generated by Kashmir 3D (free soft), with 50m DEM data set by GSI (Geospatial Information Authority of Japan).
Whitish area are higher than estimated snow line. Green area are lower than forest line (limit). Yellowish brown area, between those 2 area, are estimated as grassland, steppe or tundra. Those estimation are depend on geomorphological studies, reconstructed from vertical distribution of remnant periglacial geomorphology (please notice this is not accurate illustration, this is just draft images).
Next I will set distribution of archaeological sites on those maps...to be continued.
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by asiansophia | 2011-05-16 22:27 | 旧石器考古学/Palaeolithic